オリコンの訴状は言う。
なお、被告は、「『オリコンの数字はある程度操作が可能だ』というレコード会社員の話も複数聞いたことがあります。」などとして、第三者からの噂ないし風評を引用しているが、その場合であっても読む者をして、その内容たる事実が実在するとの印象を与えるのであるから、名誉毀損が成立することは明らかであり、これは裁判実務上も定着している。
実は、「オリコンの数字はある程度操作が可能だ」という話は、私も聞いたことがある。
オリコンに訴えられるから、書かない方がいい?
いや、絶対に大丈夫である。訴えられるおそれはない。
私が、その話を聞いたのは、オリコンの創業者の故・小池聰行氏からだからだ。
小池聰行氏はインタービューに答えて次のように言った。
--ところが、レコードを買い占める会社があって、そのサンプル店のデータに操作の手を加えているでしょう。 「ええ、そうですね。現実にそういう会社があることも否定しません。……〔略〕……」 (『噂の眞相』1983年8月号)
小池聰行氏自身が「ええ、そうですね」と「操作」の存在を認めているのだ。
つまり、小池聰行氏自身が「オリコンの数字はある程度操作が可能だ」という事実を認めているのだ。
オリコンは、烏賀陽弘道氏を訴える前に、小池聰行氏を訴えるべきであろう。(原理的には。)
さらに、ABCプロモーションの会長の山田廣作会長は次のように言う。
「音事協の内部でも、オリコンのあこぎな商法に対する疑惑や非難の声が、日ごとに高まっている。」 「その〔レコード買い占め会社の〕一つに、かつてクロスオーバーという会社がありましてね。何百万か払えば二週目に三十位、三週目には二十位にしてみせるというわけですよ。そこで、実際にやってみたら、オリコンのヒットチャートはその通りになった。それから判断しても、おかしいと思うでしょう。」(『噂の眞相』1983年7月号)
山田会長、捨て身の告発である。
〈おれがチャートを操作しようとしたら、出来たぞ。だから、オリコンのチャートはおかしいぞ。〉と。(苦笑)
オリコンは、まず、山田会長を訴えた方がよかったのではないか。
オリコンが大切にしている「チャートの信用性」を疑わせる発言をしているのだから。
もちろん、これらは、1983年当時のことである。
しかし、山田氏の告発は、実名を挙げてのものである。実名を挙げて、自分がチャートを「操作」したと認めているのである。これは重要な証言である。
さらに、当時の社長である小池聰行氏自身が「操作」の存在を認めていたのである。これも重要な証言である。
だから、烏賀陽弘道氏は、小池聰行氏と同じことを言ったに過ぎない。「操作」が存在するという事実は、既に小池聰行氏が認めているのである。
オリコン創業者と同じことを言っただけなのに、烏賀陽氏は名誉毀損で訴えられたのである。
創業者の小池聰行氏の証言をオリコンは忘れてしまったのか。
誠に、不自然である。
オリコンは、何が何でも、チャートの「操作」は存在しないことにしたいらしい。(または、小池聰行社長の証言を忘れてしまうほど、記憶力に問題があるらしい。)
これは〈都合が悪い事実の存在自体を否定する〉虚偽である。
コメント (2)
ご無沙汰しております。
ブログを始められたのですね。
「これからは、毎日のように諸野脇先生の文章が読める~。」と喜んでおります。
また遊びにきます。
投稿者: MIKIO | 2007年04月05日 05:48
日時: 2007年04月05日 05:48
MIKIO さん
お久しぶりです。
うっ。「毎日のように」ですか……。
がんばります。
「毎日のように」の新しい定義を作ってしまいそうですが。(笑)
どうぞ、また、いらしてください。
投稿者: 諸野脇 | 2007年04月06日 01:04
日時: 2007年04月06日 01:04